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AIカメラで鮮度の良いタイムリーなデータを測定し、事業開発を推進。

ショッピングセンターなどの運営や街づくりに携わる阪急阪神不動産。大阪 梅田のオープンスペース「阪急サン広場」になぜIDEAを採用し、どのような活用を計画しているのか。またなぜ、Intelligence Design社の製品を選んだのか。その理由を伺いました。

– はじめに、竹之内様の業務内容を教えてください。

阪急阪神不動産株式会社は、大阪・梅田や阪急・阪神沿線を中心に、暮らしを豊かにする多彩な商業施設の運営に携わり、地域の開発プロジェクトやスタートアップ支援に積極的に関わっています。その中でも私は、開発事業本部 都市マネジメント事業部 梅田事業創造グループに所属しています。コロナ禍やテクノロジーの進化に伴い、お客様の生活や価値観が大きく変化する中で、最先端技術を活用し鮮度の高い情報を取得且つその行動変化を深く理解することで、デジタルやリアルを駆使した都市サービスの提案、多様なライフスタイルやワークスタイルに応えられる街づくりの検討をしています。

開発事業本部 都市マネジメント事業部 梅田事業創造グループ 課長補佐 竹之内 麻里

− IDEAを2021年10月から導入いただいていますが、導入のきっかけは何でしたか?

グループ全社でDXを推進していく中で、当社も2021年は人流解析に関わる様々な最先端技術を活用しながら検証していました。社会的にも、他社の動向を見ても、最先端技術を導入して活用へ繋げていくことは、早急に検討を進める必要がありました。特に人流調査に関しては、メンバーの関心が高く、新しい技術、新しい製品をどんどん試しDXを推進していこうと話しておりました。

私たちが取り組んでいることの一つとして、「最先端技術を活用した鮮度の高い情報の取得からその状態を把握し、深くお客様を理解すること」とお伝えしましたが、お客様と街とのかかわり方を深く理解するためのツールのひとつとして、Intelligence Design社のIDEAを実証実験として導入することを決めたことがきっかけです。

実証実験でIDEAを導入した阪急サン広場

– IDEAを採用した理由を教えてください。

前任の担当者がホームページで検索をしてIDEAを見つけ、お問い合わせさせていただいたことが最初です。

私は、Intelligence Design社は製品のわかりやすさだけではなく、データ活用の方法について相談をしながら進められたことが導入後も安心して使えると感じられ、判断の決め手になりました。

– IDEAをどのように活用していますか?

弊社はIDEAを阪急サン広場というオープンスペースに設置して、データを測定しています。歩行者・通行量・滞在時間・属性(性別/年齢)といった阪急サン広場の利用状況をデータとして計測しています。

そのデータをもとに、まずはイベント開催時の効果測定をしようというのが設置当初の目的でした。

また、このデータをどう活用していくかという視点で、大きく3つの目的を持っています。

・短期的な視点:阪急サン広場におけるイベントの効果測定

・中長期的な視点:催事イベント誘致への活用(その根拠となるデータの収集)

・長期的な視点:街の開発シミュレーションに活用するための、鮮度の高い良質なデータの測定、蓄積

これらのデータを取得するためには、AIカメラではなくセンサーなどの選択肢もありました。

しかし、まずは広場で開催されるイベントの効果測定をやるうえで、老若男女のデータを収集することができ、通行量だけでなく滞留時間を測定する機能もあるAIカメラが一番理にかなっていました。

– 実際にデータを見て発見はありましたか?

イベントの効果検証がしたいと始めた実証実験だったため、まずはデータを可視化するというプロセスからでした。二日間のイベントを人力の通行者数の測定結果と比較することから始めました。もともと人通りがある場所に屋台を置くことで、時間帯によっては通行者数が減る場合もあり、AIカメラだからこそ測定できる滞留時間が参考になりました。

老若男女が通行する阪急サン広場

滞留時間を測定することで、カメラのエリアに入った人が指定の範囲内に留まっている時間を把握でき、通行人とイベントに参加している人を見分けることができたのです。

この属性データや滞留時間のデータは、阪急サン広場の可能性を探るためにイベントの効果測定のみならず、普段の利用状況の把握や次のイベントの企画、日常的なスペースの活用方法の検討などに生かしていこうと思っています。

また、今回は屋外での設置でしたが、ショッピングセンター中のフリースペースなどに設置して、通路の人流把握などをすることによって、長期的な目線での街の開発にもつなげていけるのではないかと期待しています。

– 2021年から現在までIDEAを継続して使っていただける理由はありますか?

2021年の導入段階では、人流把握のためのサービスは、複数社ほど利用していました。

やはり、色々なサービスやデバイスを利用していく中で、コストパフォーマンスを考えると、そのサービスで収集できるデータにそれだけの価値があるのだろうかという議論になります。

IDEAはまず、効果測定のしやすいイベント時のデータ収集をし、レポートが出せたことが大きかったです。また、データ収集をして終わりではなく、その後のデータ活用の仕方まで相談に乗っていただける点が社内でも評価されています。

またAIカメラは、頑張れば自分たちでも現地調査でそのデータの精度の裏付けができることも、実用化に向けた準備がしやすい点ですね。

– AIカメラだからこその良さがあるということですね。

そうですね。AIカメラ以外のサービスだと、推計が必要な場合もあります。そしてその推計が正しいのか、母数のうちの何割ほどのデータなのかというのが出しにくく、判断が難しいものもあります。

IDEAはしっかりと裏付けや精度の判断ができるデータやレポートを提示できるので、議論になっていくのが良いですね。

特に社外の関係者と議論する場合には、データや数字の根拠がしっかりしていると議論しやすいですね。

そのような中、IDEAのデータは確度もあり、裏付けもできるので、様々な蓄積されたデータがある中でポイントカードのデータの次に使いやすいデータになるのではないかと個人的に思います。

また、弊社はショッピングセンターの入り口の来場者数をカウントする装置のデータや、売り上げデータ、ポイントカードで保有するデータと組み合わせて使える点でも、AIカメラのデータは特に使いやすかったというところがあります。

– 導入決定から稼働までの苦労はありましたか?

全社的に最先端技術の導入には前向きだったことがあります。また、イベントを実施する部署が近くにあったこともあり、その部署と密に連携をして、データの必要性などを明確にできました。

設置しているカメラ

新しいサービスやシステムを導入するときは、そこから何か新しいことを作っていこうという感覚と、既にある課題を解決していこうという感覚の二つがあると思います。

今回はそのうちの後者である「イベントの効果を可視化していく」という課題を解決するデータを収集できるというのが、最初の足掛かりとなりスムーズに導入を決定できた理由ですね。

少し難しかったのは、設置場所です。

カメラを設置するのには電源が必要だという点、そして、カメラの画角を適切に調整しなければならないという点がありました。しかし、そこは施工業者様とIntelligence Design社と協力して、強度のある場所で測定したいエリアの映る位置にカメラを設置することができました。

また、ソフトウェア的な測定範囲のチューニングも、カメラの設置後にIntelligence Design社と協力しながら、納得のいくものに仕上げていくことができました。

最終的には、設置場所の選定からチューニングまで合わせて、1カ月半程度で最終的なデータ測定を始めることができました。

– 最後に、Intelligence DesignやIDEAに期待することを教えてください。

IDEAを使い続けたいと思う一番の理由は、設置後のデータのファシリテーションとレポーティングを一緒にしていけるという点です。

なので、これからも一緒にディスカッションいただけると非常に助かります。

どのようなことをしていきたいか、どのようなことをしていくべきかを見える化するのが担当者のポイントで、データの分析というのは、突き詰めていくとすごく担当者に対する負担が大きいのです。

そこでデータに関しては、そのデータの専門家と一緒にまとめていけるのは本当にありがたいです。そういったデータは、最前線にいる現場の人間がお客様と対話をするときに非常に役に立ちます。こうやって、これからもIntelligence Design社とは協業・共創していきたいと思っています。

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